京都市立堀川高等学校第26期卒業生(昭和48年度卒業)の同窓会サイトです。ここには昭和49年3月に堀川高校を卒業した仲間による同窓会の案内、各界で活躍している仲間、そして懐かしい写真などを掲載しています。

校長 同窓会ご挨拶

堀川高校の秘密に迫る! 校長インタビュー Interview
 
■京都は難関大学に多数の合格者を出す中高一貫の有名私立高校が多い
2000年以前の京都の公立高校は、難関大学に入るには浪人しないと入れないから「公立高校4年制」などと陰口をたたかれていた。それまでは堀川高校も京大合格者が出ない「普通の高校」だった。京都市内には洛南、洛星など中高一貫の私立進学校が多く、「私立高校の天下」だった。その中にあって、市立の堀川高校は、経済的に裕福でなくても生徒の学ぶ意欲を高め進学希望を実現することができる公教育を復権させたいと改革にまい進してきた。私立の中高一貫校には、科目学習を前倒して済ませて、残りの期間で受験技術を磨く高校もあるようだが、堀川はそのようなことはしない。
 
■どのように作用して合格者増につながっているのか
1年生から受験につながる勉強はきちんとしている。さらに模擬試験などの外部評価も受け、校内の分析会でも関係教員が共有し、各教科に課題をフィードバックし授業改善に活かしている。おそらく他校よりも密度の濃い分析をしていると思う。受験科目あるいは主要科目と呼ばれる科目の授業時数では毎日7時間実施しているので、公立高校の中では多いほうかなと思う。 課外活動も思いきりさせているので、塾や予備校に行く暇がなく、授業とその予習復習は結構真剣味がある。各週明けには復習テストを実施、これが土日の自学自習時間の増加につながっているかなと思う。「日々の学習」と「探究活動」を欠かさずにせよと教えている。
 
■堀川高校が京大など有名大学に多くの合格者を出している理由
この数年で有名私立校の大半が中高一貫に、一部は小学校から小中高一貫になったことで、小学校、中学校の段階から優秀な生徒は「青田買い」をされて私学に流れる傾向がある。今年の場合、堀川は志願書ベースでは倍率は1.8倍とまずまずだった。 しかし、私学合格発表後に公立高校の試験が実施されるため、私学と堀川を併願していた生徒で、私学に合格した生徒が堀川を受験せず、最終的な倍率は1.5倍に下がった。私学には授業料免除する特別待遇制度などもあり、そうしたことが私学を選択した理由の一つと思われる。公立高校としては、教育目標と教育内容の魅力で勝負していきたい。
(以上 WEDGE Infinity(ウェッジインフィニティ)
2015年7月7日の記事より引用
  http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5134?page=1
 
堀川高校の秘密に迫る! 校長インタビュー 独自取材 Interview
 
 
皆様の母校をお預かりしております校長の恩田徹と申します。平素は母校の発展にご理解とご協力,ご支援を賜り,心より感謝申し上げます。 「立てや立て 心のままに 立てや立て 汝は撓まじ」 私の教員キャリアに堀川在職はございませんが,このフレーズは幼いころよりプラスイメージが私の中に刷り込まれている素晴らしい歌詞です。実は,1963年から87年までの長きにわたり,私の父がこの堀川でお世話になりました。野球部長をしておりましたことから,小学校低学年時の土日は嵯峨野グラウンド,夏休みも西京極球場(現わかさスタジアム)での子守が多く,応援団の卒業生の方からのありがたいジュース進呈なども記憶に焼き付いております。当時の高校としては落研,アメ民などの活動,服装も含めて京都一の自由を謳歌する高校としてうらやましい思いで見ておりました。
卒業生であれば,カリキュラムも含めて,当時と同じものがあることに喜びを感じるのは当然です。しかし,教育の質と評価が高くあってほしいと願う気持ちも自然だと思います。変化の激しい社会で生き残れるのは,変化に対応すること,と進化論では常識となっておりますが,絶対に捨ててはならない堀川の遺伝子である生徒の主体的な活動を頑固に守りながら,変化にしなやかに対応しながら,変化をしたたかに機会ととらえて新たな創造を究めていきたいと思います。
学習面や進路実現で話題となることが多いですが,単に,進学校や文武両道といった既成の規準で評価されるようではいけないと思っております。厳しい状況に耐え,リスクを引き受け,他者を巻き込んで挑戦し,突破する自立する18歳を育成するための研究開発校でありたいと大志を抱いております。何にでも興味を持つ好奇心旺盛な生徒,他人がバカにすること,カッコ悪いこと,であったとしても,他人と違うことをやる。今の世の中,同じことだと勝ち残るとか,はやく到達するだけの勝負になっていないでしょうか。改良で妥協していることは多くないでしょうか。新たな創造よりも目先の利益,自由なアイデアより前例踏襲,出る杭を打つ,といった風潮に果敢チャレンジする「打たれ強い出る杭のような若者」を探究活動を通して育成したいと存じます。生徒は諸先輩方が築かれた自由闊達の伝統をしっかりと受け継ぎ,熱心に活動をしています。生徒自身の努力ももちろんありますが,皆様のご支援のおかげと,深く感謝しています。
生徒歌『緑なす森に』復活と同時に,校歌の4番製作も生徒有志から進めたいと聞いております。どうか,本校の挑戦にご理解とご支援を宜しくお願い申し上げます。
校長 恩田 徹
 
校長 同窓会ご挨拶 greeting
 
京都は難関大学に多数の合格者を出す中高一貫の有名私立高校が多い 堀川高校の秘密に迫る! 校長インタビュー
京都市立堀川高等学校 校長 恩田 徹
1957年 京都市生まれ 広島大学大学院卒
京都市立塔南高校社会科教諭として採用
その後、京都市教育委員会指導主事、首席指導主事、
京都市立洛陽工業高校校長 
2014年度より現職
 
『「自立」を育み,難関大学に多数合格。探究活動で全国から視察相次ぐ京都市立堀川高校』 卒業生の皆様型のご理解とご支援のおかげで,以上のように本校の教育内容が全国から注目を集め,取り組みを全国に発信させていただけております。その一端をお伝えできる機会を与えて下さり心より感謝申し上げます。
2004年に国公立大学の現役合格者が3年前と比較して20倍以上の135人もの合格者(このうち32人が京都大学)を出したことから『堀川の奇跡』と脚光を浴びた本校は,「公立高校で京大合格ナンバーワン」などとマスコミや塾関係者の目を引く中で,本校の教育方針はあくまで生徒一人ひとりに卒業後の社会でいかにして自立して生きていくかを地道に教え,合格者を増やすための入試対策が目的化せず,課題研究を行う「探究基礎」と呼ぶ授業を重視し,正解のない幅広い問題に対するチャレンジ精神を養おうとしています。こうした受験とは直接関係のないカリキュラムを導入しているにもかかわらず,04年以降も1学年240人の中から平均して120人前後の国公立大学合格者を出し続け,全国の高校や教育委員会からは「その秘密を知りたい」とおかげさまで視察が絶えません。昨年1年間で全国から59の高校,教育委員会の関係者が視察に来られました。中には大学合格者を増やすのが目的と思われるものもありますが,約1年半で論文という形で学習の成果をまとめる「探究基礎」の授業と「教科指導」の両立や,生徒が自分たちのリーダーを決めて主体的運営する「海外研修」「学校説明会」「探究基礎委員会」などの委員会活動,スタッフ活動の多さを見て驚かれます。
文部科学省からは,14年3月にSGH(スーパーグローバルハイスクール)の第1期指定を受けました。期間は14年度から18年度までの5年間。SSH(スーパーサイエンスハイスクール)は02年に第1期指定校になり,引き続き05年,10年にも5年間の指定を受け,おかげさまで今年度さらに5年間の4期目の指定を受けることができました。国の指定の最大のメリットは研究の過程で外部評価を受けることによって,日々の授業はもとより,堀川の柱でもある「探究基礎」を検証して常にブラッシュアップすることができたことです。そのことが校内の授業の研究開発力を高め,「探究基礎」のステップアップにつながっています。例えば,今年度からは科学的な思考力の向上にとどまらず,それを表現するための言語能力の育成を軸とした取組の実践と評価の充実に,また,SGHでは,「しなやかさとしたたかさを備えた青年の育成」をテーマとし,実践的かつ挑戦的な国際課題の解決のためのゼミ活動を進めております。こうした複数の指定を進めることにより,「探究基礎」の課題設定に世界を俯瞰する視点をより意識するようになり,課題研究の到達点を論文にとどまらず社会での実証にまで高められるようになりました。今後は,グローバル社会の中で自立し,さまざまな人の異なる価値観とぶつかり合うなかで,「受容力」「発想力」「交渉力」などを兼ね備えた生徒を育んでいき,全国へと発信していくことが本校の使命があると思っております。
一見,受験と関係ないこと,答えがどうも分かっていない課題を探究することが受験を乗り越えられる「普遍的な」学力の形成につながるはずだ,との本校の仮説が証明できるかどうか,またこうした取組が全国,とりわけ進学校に広がるかどうか,これからも大志を抱いて挑戦し,突破を目指していきたいと思いますので,諸先輩方におかれまして,ご理解とご支援を宜しくお願い申し上げます。